Long may you run

- 末永く走り続けられますように -

UTMF 2019 試走 A7山中湖きらら to A9富士吉田

今回も先にまとめです。

■A7山中湖きらら to A8二十曲峠 まとめ

  • 軽視しないこと。杓子山・A9富士吉田までの中継点というほど優しくない
  • そこそこ走っても3時間掛かる。本番は夜パートであること且つ+127kmの疲労を考慮
  • 途中の追加補給は一切出来ない。十分な食料と水分を持って挑もう

■A8二十曲峠 to A9富士吉田 まとめ

  • ネガティブにならない!
    • なんて斜度の坂だ
      よっしゃロープで脚温存、助かる
    • こんな岩場続き、もう無理、嫌だ
      プチクライミングパート、楽しもう
    • このピークも違うのか、もううんざり
      何度でも来い、負けない!
  • あの鐘を鳴らすのは、あなた。

UTMF 最難関パート試走に向けて

前々回は天子山地、前回はA5勝山 to A7山中湖きららを試走したが、これらは試走の準備運動の位置づけで、本命がこのA7山中湖きららから先。127kmからUTMFは始まると聞いている。

A7からの試走でゴール地点まで行く人も多いが、自分は明日開催の奥三河パワートレイルへ駆けつける必要があるので、早朝から走ってA9で切り上げる計画。

...のはずが、朝から中央道事故渋滞。かなり日が昇った時間帯からのスタートとなる...

試走開始 - A7山中湖きらら to A8二十曲峠

富士山駅に車を止めさせてもらう。なお、富士山駅の駐車場はかなり広い。今回も駐車場はスカスカ。UTMF試走は毎度、駐車場で困らない。

三番乗り場からの緑のバス(F、ふじっ湖号)で山中湖 平野へ。なかなか遠く、1時間ぐらい掛けて到着。

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平野の観光案内所には綺麗すぎるトイレ。自販機併設。

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更に、すぐ近くにセブンイレブン。必要ならここで最終準備を。山中湖きららにも自販機はあるけど、食料は補充できないので。

5分ほどジョグって、山中湖きららに移動。今日も快晴!

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10:00、試走スタート!まずはパノラマ台を目指す。

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最初からフカフカなトレイル、嬉しい。

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10分程度でパノラマ台に到着。素晴らしい景色を拝めたが、ここは通過点。すすきが生い茂る、荒涼とした登山道を登っていく。

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真っ正面の登山道は、大きい階段で脚を使ってしまう。お好みで、向かって右側の段差のない細い登山道を使うとラク。すすきが痛いところは避けて。

10:35、標高1291メートルの明神山頂に到着、絶景!

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夜は素晴らしい夜景だろうな。

ここから、下りトレイルスタート!
平坦だったり、適度な登り下り。最高に楽しいトレイルが続く。

11:10、高指山獲ったど!

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山伏峠に向かってゆきます。

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起伏のあるトレイルを気持ちよく走って...

11:35、山伏峠に到着!

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ふむ。舗装路まで下るのかと思ったら、トレイル中なのか。引き続き起伏ありのトレイルを、ちょっとだけロストしつつも進むと...

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あ、あれ?また山伏峠という名の場所が。まぁ深くは気にしないでおこう。

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なかなか石割山が遠いが、登山道のド真ん中に鎮座する、Y字に折れた木を過ぎて少し行くと...

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12:40、石割山に到着!

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ここまで来たら二十曲峠は近い。
しかしここからちょっと迷った。GPSナビに従い、登山道っぽくない右側斜面を降りていったが、正解が分からないw

f:id:nuichi:20190408185640j:plain 石割山からの道なき道

下り続けて、鉄塔の横をくぐり、更に下り続けてまた少し登ってを繰り返し...

12:55、約3時間で二十曲峠に到着!

f:id:nuichi:20190408190107j:plain ...抜けた!

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明神山頂以降の数え切れないアップダウンと、食料と水が限られているぞというプレッシャーで、精神的にも肉体的にも結構な疲労度。

この13kmは、

  • 約3時間
  • 12'10"/km で進行。走れる下りと平坦な箇所は走ってます
  • 水 300cc 消費...あかん、結構摂ってたつもりが全然...

二十曲峠には公共トイレあり。ということは水も飲めたかもだが、確認忘れ。。

■UTMFエイド物語 A8二十曲峠

www.youtube.com

すでに共有されているエイドステーションの提供内容の通りで、ここにはさほどがっつりした食料は用意されていない点、要注意。

A8二十曲峠から杓子山、そしてA9富士吉田へ

昨年はレース中に、A7山中湖きららからA9富士吉田の間に熊出現 の緊急注意SMS報があったとのこと。確かに出そうな雰囲気。熊鈴鳴らしながら進むことにする。

ぐんぐん登らされる。

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いい感じのデザインの熊出没注意看板。

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13:35 立ノ塚峠!

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さーー、ここから杓子山アタック開始!

写真では斜度がうまく伝わらないけど、あきらかにこれまで以上。

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ロープを使わないとしんどい・危険な坂が出始める。ハンドライトの出番はなさそうだ。

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UTMFはストック使えないわけなので、腕で登れる坂はむしろ好都合と捉える。
道に落としてあるロープは特にありがたい。またいで、腕で身体を引き上げてゆく。力強く、スイスイ行ける!

岩場も出てくる。いい情景だ。

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切り立っているので、手の置き場・足の置き場は慎重に選ぶ。下りじゃなくて登りでよかった。
本格的なロッククライミングに比べれば、プチって感じなわけで。ひとつずつ、達成感を得ながらクリアしてゆく。

時々素晴らしいパノラマが開ける。吸い込まれそうだ。自分は高所恐怖症なので、眺めていると脚が震える。

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昼なこともあって、常にピークは視界内にある。登って、登って...

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着いた!ここが杓子山か?!

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いや、違う、何もない。しかし、しょげない。必ずこの先にある、辿り着けると自分に言い聞かせて、進む。

開けた岩場。よく見ると、遠くに山中湖と、すすきの間を歩いた明神山が見える。

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すごい、ほんの数時間前にはあんなに遠いところにいたんだなと、我ながら感心する。

ん!進行方向へ目を凝らすと鐘のある丘...あれだ、間違いない!アップダウンを何度か繰り返し...

14:40 杓子山、ついに獲ったどーー!!

youtu.be

本番では、この地点で144km。標高1598mは、レース中の最高到達標高でもある。

静かだ。風の音と、自分の息づかいしか聞こえない。

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この天空の鐘に会いたかったんだ、鳴らしてみたかったんだ。
もちろん、鳴らしてみた。音、でかw

レース当日、まだここを目指して一歩ずつ進んでいるランナーにとって、この鐘の音は希望になるだろう。当日は必ずもう一度ここに立って、鐘を鳴らし、後続のランナーを鼓舞したい。

下りの分岐は間違えないように。看板のある方じゃなくて、右側へ。

後は下り基調なのだが、時々また登らされる。とはいえ、ここまでにやっつけてきた激登りほどではない。

なかなか杓子山から抜けなくてもどかしいが、40分ほど走ってようやく砂利の下りに変化。

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不動湯を横目に見て、当日はひとっぷろ浴びたろか!と独りごちながらどんどん降りてゆく。

ようやっと里に。ほっ。しばらく走ると、自販機がちらほら出現。ほっ。

16:10 A9富士吉田へ。ここに辿り着いた時は、感無量だろうなぁ。この先の霜山1302mも、恐ろしいけど。

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■UTMFエイド物語 A9富士吉田

www.youtube.com ワインレッドの帽子のおばちゃん達に、必ず会いたい

この13kmは、

  • 約3時間
  • 12'35"/km で進行
  • 水 400cc 消費。当然もっと摂った方がいい。ただ、当日は夜なので水の消費量は少なそう。食料は再考。

A7-A9は、長かった。水や食料が限られているというプレッシャーが、疲労感を倍増させていた気がする。 ドロップバッグに、このパート用の食料を忍ばせておこうと思う。

杓子山までは、いわゆる「折られる」場面が多いのは否定できない。そのストレスが疲労感を倍増させる。

しかし、ネガティブに感じること自体が御法度。冒頭のまとめにも書いたが、辛さを楽しみに置き換えて進もう。

なお実行委員の三浦努さんのコースガイダンス会では、次の言葉が。

  • A9までたどりつければ完走はほぼ確定!

当日はこの言葉も口ずさみながら、進もうと思う。

後日譚

試走の翌々日、この記事を書きながらふと気づくと「あの鐘を鳴らすのはあなた」を口ずさんでいた。

この曲は昔から好きな曲の一つ。久しぶりに聞いてみると、なんと。この歌詞は杓子山を目指すシチュエーションにピッタリ!

あなたに逢えてよかった

あなたには希望の匂いがする

つまづいて 傷ついて 泣き叫んでも

さわやかな 希望の匂いがする

町は今 眠りの中

あの鐘を鳴らすのは あなた

人はみな 悩みの中

あの鐘を鳴らすのは あなた

作詞は大御所、阿久悠和田アキ子はもちろんのこと、カバーした徳永英明サンボマスターつるの剛士のバージョンも素晴らしい。

自分にとってのUTMF応援歌が決まりました。杓子山を攻めている時に歌い続けたいと思う。